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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻12号

1981年12月発行

文献概要

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白血病,その他の病的状態における細胞化学とFAB分類の利用

著者: 猪狩淳1 佐藤尚武1

所属機関: 1順天堂大学臨床病理

ページ範囲:P.990 - P.992

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 はじめに
 熟練した専門家が,血液や骨髄のライト染色標本を顕微鏡下でその形態を,注意深く観察すれば,白血病かも知れないと思わせる検査上の所見を見つけるであろう.異常細胞の出現,特に未分化細胞あるいはいずれの血球系でも未熟な細胞の出現は,経過が悪性である可能性を示すものである,化学療法の最近の進歩は白血病の細胞系を正確に決定することにより,患者の治療に多大な貢献をしている.ライト染色による塗抹標本を観察することにより,血液学者や腫瘍学者は,しばしばアウエル小体,幼若顆粒球の一次顆粒あるいは幼若単球でみる核のねじれのような,特徴的所見から,白血病の細胞起源を予想する糸口をつかむことができる.しかし,もし未分化な細胞のみが出現しているなら,形態から異常細胞の性状を正確につかむことは不可能である.全白血病例とはいわないまでも,ほとんどの例でライト染色標本の細胞形態から得られた情報をより確かなものとするために,組織化学の進歩と組織化学技法の血液細胞と骨髄細胞への適応,臨床血液学の分野に細胞化学の応用を強力におし進めてきたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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