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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻12号

1981年12月発行

文献概要

トピックス

ヒト由来酵素標準物質の作製研究

著者: 中山年正1

所属機関: 1虎の門病院

ページ範囲:P.995 - P.995

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 酵素活性測定の標準化に関する研究は内外を問わず世界的な傾向であり,IFCC(国際臨床化学連合)を中心に,用語の統一,単位の統一,試料の取り扱い,標準分析方法の提示などが行われている.このように標準化は単に標準法の作成を意味せず,標準体系の完成を目的にしていることが分かる.このうち,最も重要なものは,①正確で再現性の高い絶対的な標準分析条件の設定,②性質のよく分かっている標準物質の確立,であることは論を待たないであろう.
 純粋な物質は当然検量の標準物質としてすべての分析の基準となるものであるが,そのほか,他の施設で測定した値の正確さの確認の尺度として,また,新しい分析方法の研究や,サーベイなどの検査室間,品質管理としての検査室内管理に有用な尺度となるものである.しかし,酵素は動物由来のものはヒトと種々の点で性状を異にし,また,精製純化し結晶化しうるような純粋な酵素標品の作製は今や容易なものとなっているが,活性が完全に回収され,それが元来の性状を保持しているか否かについては多くの疑問が投げかけられおり,この種の研究は世界的にも研究が少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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