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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻2号

1981年02月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

発色基質—その特徴と問題点

著者: 降矢震1 降矢熒2

所属機関: 1千葉大学附属病院検査部 2東京女子医科大学生化学

ページ範囲:P.134 - P.137

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 発色基質とは何か
 "発色基質"(chromogenic substrate)なる語が見られるようになったのは戦後のことである.リン酸酵素の組織化学的染色法としては,初めグリセロリン酸が用いられていた(高松,1938)が,1944年Mentenらはナフチルリン酸を用い,酵素により水解遊離するナフトールを,あらかじめ反応液中に溶存させてあるジアゾニウム塩と結合させて,不溶性色素として酵素存在部位に沈着させる方法を報告した,以後各種ナフタリン誘導体との結合物を基質とし,対応する酵素の存在部位の染色が広く行われるようになり,それらを"発色基質"と称するようになった.血清酵素の比色測定にはフェニルリン酸も用いられたが,非天然合成基質としてみれば,ナフチルリン酸もフェニルリン酸も同類であり,フェニルリン酸もまた発色基質といってもよいはずである。
 p-ニトロフェノール,フェノールフタレン,チモールフタレンのリン酸エステルを基質としたときには,遊離してくるこれらのOH化合物はpH指示薬であるから,解離すればそれぞれの呈色を示すから,文字どおり発色基質と言うべきであろう,その意味でこれらを"一次発色基質"と名付けるならば,前記フェニルリン酸,ナフチルリン酸は遊離するOH化合物そのものは呈色せず,何らかの試薬と反応させて初めて発色するのだから"二次発色基質"として分類する4).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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