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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻3号

1981年03月発行

文献概要

病気のはなし

川崎病

著者: 川崎富作1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター小児科部

ページ範囲:P.210 - P.217

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 川崎病とは
 川崎病と聞くと,大方の人は川崎市の公害病,つまり喘息ないしはそれに類似の病気ではないかと連想されるようである.医師の中にさえ,小児科以外の人はこのような解釈をされている方々が結構いるのであるから,医師以外の方が,そのように解釈されるのもけだしやむを得まい.
 本症は主として4歳以下の乳幼児に好発する原因不明の急性熱性発疹性疾患である.これがなぜ問題になるかと言うと,古典的な小児の急性熱性発疹性疾患(例えば麻疹,風疹,猩紅熱など)と違って,心臓の冠状動脈に動脈瘤ができて,この中が血栓で閉塞すると突然死するからである.突然死とまではいかなくても,大人の心筋梗塞発作と同じような心臓発作が,赤ちゃんや小さな子どもに起こるということで,従来の子どもの病気とは全く違ったものであるがゆえに,日本のみならず,世界各国の小児科医の注目を集めるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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