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技術講座 一般
ガスリーテスト
著者: 大浦敏明1
所属機関: 1大阪市立小児保健センター
ページ範囲:P.415 - P.419
文献購入ページに移動1961年米国のガスリー(Guthrie)博士は,フェニルケトン尿症のマススクリーニング法として画期的な方法を開発した.検体としては厚手の吸水性の良い濾紙に血液を染み込ませ,乾燥させたもの(血液濾紙)を用い,検査法としては細菌抑制検査(bacterial inhibition assay;BIA法)を実用化した.この方法は多くの利点があり,それ以前の尿検査に代わって,短時日の間に全世界に普及した.今日ガスリーテストと称する場合はBIA法を指すが,その後同じ血液濾紙を用いて酵素検査(ボイトラー法,α1アンチトリプシン,アルギナーゼなど),ホルモン検査(T4,TSH),電気泳動法(異常ヘモグロビンなど),免疫反応(トキソプラズマ抗体)など多種多様のマススクリーニングが可能となり,これらを含めてガスリーテストと呼ぶことがある.本稿では狭義のガスリーテストとしてBIA法に限定する.
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