文献詳細
文献概要
病気のはなし
狭心症
著者: 延吉正清1 服部隆一1
所属機関: 1小倉記念病院循環器科
ページ範囲:P.454 - P.463
文献購入ページに移動 狭心症は歴史的には古くHeberdenが1768年に,ロンドンのRoyal College of PhysiciansでのLumley記念講演会で,本症状につき講演し,それは狭心症の病態生理には全くふれていなかったが,今日の狭心症の症候学をもってしても,彼以上の記載はできないほどまとまったものであった.このような古い病気でありながら,その本態が解明されるようになったのは,冠動脈造影法が臨床に導入され始めた1960年代以降である.
さて,このように古い歴史を持った疾患でありながら,その本態が不明であった理由は,一つには動物には狭心症が存在しないために動物実験が困難なことと,もう一つは機能性心疾患であるために,非発作時と発作時では病態が全く異なり,死後心による病理学的検索ではその機序の解明が不可能に近かったためであろう.さて,狭心症とはいかなる病気であるかにつき,解説していきたいと思う.
さて,このように古い歴史を持った疾患でありながら,その本態が不明であった理由は,一つには動物には狭心症が存在しないために動物実験が困難なことと,もう一つは機能性心疾患であるために,非発作時と発作時では病態が全く異なり,死後心による病理学的検索ではその機序の解明が不可能に近かったためであろう.さて,狭心症とはいかなる病気であるかにつき,解説していきたいと思う.
掲載誌情報