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文献詳細

雑誌文献

検査と技術9巻6号

1981年06月発行

文献概要

おかしな検査データ

測定不能の尿比重

著者: 水島淳1

所属機関: 1香川県立中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.520 - P.521

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 尿比重は腎の濃縮能を表現するものとして,尿スクリーニング検査に頻用されている.十数年前まではもっぱら浮秤法が用いられたが,蛋白計として開発された屈折計が,尿比重計として応用されるようになって以来,わずか1〜2滴の尿があればよいという利点もあって,比重測定法の主流となっている.
 私たちの検査室でも卓上型の屈折計を用いて比重の測定を行ってきたが,ある日尿検査の担当者が"尿比重が1.050以上で測定できないがそのまま報告してよろしいか?"と言って来た.当の技師が検尿を担当して以来初めてのことだと言う.確かに腎機能が正常であって1日絶食状態にして尿量が400〜500mlにまで減っても,比重は1.035くらいが最高というのが常識である.1.050以上というのは通常ではあり得ない数値である.直ちに浸透圧を測定し,病棟へ患者の病態を問い合わせるように指示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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