文献詳細
文献概要
原著
食品中の微量成分(主として乳幼兒期食品)と調理に就て
著者: 中川一郞1
所属機関: 1公衆衞生院體力科學部小兒衞生研究室
ページ範囲:P.116 - P.124
文献購入ページに移動今日食餌はすべてが生食し得るものではなく,多くは程度の差こそあれ多少調理を行つて食するものであつて,此の間に食品中の榮養成分が何等變化を受けないとは云へない。微量成分,殊にビタミンの如きは極めて大きな變化を受けるものであり,場合によつては最初に存在したものが,實際口にする際には皆無となつてゐる場合も少くないのである。生材料中の含有量(勿論同一食品にても産地,種類,收穫期によつて含量を異にする)のみによつて攝取量を計算するが如きは誤りであるが,一方又調理,殊にビタミンの熱に壞され易いと云ふことのみを知つて徒に加熱を恐れるが如き(加熱によつて却つてビタミンの破壊を防ぎ得る場合が屡々ある)は何れも之等微量成分に對する正しい認識を缺くが爲の結果に外ならない。
掲載誌情報