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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生1巻3号

1946年12月発行

文献概要

論述

本年流行の痘瘡及び發疹チフスの決算的囘顧

著者: 舘林宣夫1

所属機関: 1厚生省豫防局防疫課

ページ範囲:P.214 - P.221

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緒言
 本年は,我が國傳染病史上特記すべき年である。痘瘡は明治41年以來の流行であり,發疹チフスは未曾有の大流行を示し,コレラも亦大正9年以來の流行を來して居る。我々は文明國家に於て,前記三病の如き非文明病が流行しやうとは全く豫測して居なかつたのであるが,本年,之等の病氣が同時に大流行したと云ふことは,海外よりの多數の歸還者があつたと云ふ特殊の事情はあるが,我が國の現在の状態が如何に非文明的であるかをはつきり物語つて居ると思ふ。
 本年の痘瘡及び發疹チフスの流行に關する報告は,未だ完全には集つてゐない現在に於て,本年の流行に關しての決定的のことを述べることは出來ぬが,痘瘡,發疹チフスは一應終熄した状態なので,今迄に集まつた報告を基にしてごく簡單に本年度流行の模様を述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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