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論説
米國に於ける公衆衞生と公衆責任(Public Liability)
著者: 早川淸
所属機関:
ページ範囲:P.342 - P.343
文献購入ページに移動例へば私があちらに居つた時,Los Angelsの或る果物屋の店先きのコンクリートの前で,お婆さんがそこに捨てられてあつたバナナの皮で滑つて轉び怪我をしたところ,不用意に果皮を店先に捨てた角でそこの主人は罰せられた。又た他の例では,冬,屋先の道路にぶちまかれた水が夜に凍結し,翌朝そこを通つた男が滑つて怪我をしたので,その家の主人はすぐ公衆責任に問はれ訴へられて高價な賠償を佛はされた。又たNew Yorkの或る商社の便所の手洗場に石鹸がなかつたので私が訊ねたところ,そこでは石鹸の水が大理石の床に落ちて客が之れに滑つて轉び,公衆責任に問はれたことがあるので以後置かないと言ふ説明であつた。
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