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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生1巻5号

1947年03月発行

文献概要

紹介

米國及び英國に於ける公衆衞生監視員制度に就て

著者: 尾崎嘉篤1

所属機関: 1厚生省公衆保健局

ページ範囲:P.397 - P.403

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米國に於ける公衆衞生監視制度
 Sanitationの仕事は歴史的に見ると,總べての病氣は動植物質が腐敗して發する一種の氣體によつて起るとなす瘴氣説Miasma Theoryに基いて,かゝる腐敗物汚穢物を除去することが健康を守る唯一の方法であると考へられたことに初まり清掃作業を第一の業務とじた。
 次でガス燻蒸法が發見せられ,すべての病原物は之にて破壊され無力たらしめると考へられた時代になると,このガス燻蒸が衞生當局の重要な業務となつたりしたものである。而しながら科學の進展はかゝる誤れる觀念を漸次訂正し,今日の如きは科學に基いた正しい道を進んで居るのである。かゝる變遷に對應してSanitary Inspectorの仕事は清掃,汚物除去等肉眼的な環境の淨化を專らとして居たものであつたが,社會の文化程度の進展と一般人の清潔に對する道義心の向上に伴ひ,衞生當局はこの方面への努力は漸次少なくて濟む樣になつて來た。とは云へかゝる環境の清掃化は衞生常局の基本的條件で,殊に衞生行政の進展の充分でない所では然りであつて,保健婦事業とか何とかの高度の行政は,Sanitationの仕事がある程度完成した後に着手せらるべきものである。この好例として第一次大戰後にユーゴースラビヤでStamparの行つた業績がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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