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Kahn反應と試作Kahn抗原による梅毒反應實施成績
著者: 重松逸造1 宮入正人1 芦原義守1
所属機関: 1公衆衞生院豫防醫學部
ページ範囲:P.467 - P.472
文献購入ページに移動從來わが國で行われておつた梅毒の血清學的診斷法は各檢査室でまちまちであつて,Wassermann反應ではKolmer,Browning,獨逸國定法等,沈降反應ではSachs-Georgi,Meinicke,Citochol,村田,北研法等のごとく各檢査室の傳統と習慣による方法と手技とに從つておつたため,各檢査室から出される成績は比較檢討の資料にはならず,その信頼度もそれぞれ異るものがあつたので,梅毒檢査法の統一については,以前からたびたびその必要性が叫ばれてゐたのである。殊に終戰後は動物が入手困難で溶血系統に動物を必要とするWassermann反應を行つている檢査室は至つてすくなく,たいていのところでは沈降反應のみによつている現状である。そこでこの際,沈降反應としてきわめて優秀で現在米英兩國においてひろく實施せられ,進駐軍軍醫部でも正式の梅毒診斷法として採用しているKahn反應を紹介するとともに,われわれのもとで昨年來行つている本反應の成績の一部を報告する次第である。
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