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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生10巻1号

1951年07月発行

文献概要

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赤痢の菌型を論ず

著者: 臼井竹次郞1

所属機関: 1公衆衞生院統計學部

ページ範囲:P.19 - P.21

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赤痢菌型の變動
 細菌性赤痢の病原として多數の菌型が發見された。菌型が異なるに從つてその傳染樣式及び病氣の輕重も異なるであろうから,赤痢に關する疫學現象或は流行の模樣は菌型の異るに從い甚しく異なると考えねばならない。其處で赤痢に關する3年次的,季節的,年齢的變動を理解するためにはその流行の際に於ける赤痢菌型に就て常に深い注意を拂うべきである。多數學者は過去日本に於て菌型の憂化せるてと即ち志賀菌の減少せることには皆一致している。然し乍ら多数學者の成績を公平に集めて統計的に觀察せるものはない。此處に於て今日迄發表せられたる論文の大部分即ち509論文よりその數字を集めて各菌型の%が年次的に變化せることを觀察すると第1圖の如くなる。この結果は駒込病院,警視廳,九大小兒科の調査せる範圍が極めて廣かつた爲にこの三者の成績を合計せるものと殆ど違わない樣なものである。この曲線によつて過去に於ける菌型の變動に就て觀察してみよう。先ず志賀菌に就て云うと大正5年(1916)を境として急激なる減少を示して今日に至り昭和15年(1940)前後より再び増加を示した。但し減少せる時と雖も消減したのでないことを記憶せねばならない。その他の菌型即ち異型菌,アンニット非分解性非志賀菌,大原菌等の消長は勿論うねりを示し大原菌の如きは見方によつては増加を示している。然し本統計の信頼性から云つても今これを意義づけるには尚早と考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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