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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生10巻1号

1951年07月発行

文献概要

研究報告

公衆衛生監視の一手段としての蠅格子(Fly grill)の應用

著者: 加納六郞1

所属機関: 1傳染病研究所衞生動物研究室

ページ範囲:P.35 - P.36

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 ハエの棲息數の推定は公衆衞生に携わる者にとつては是非共必要な事である。ハエの驅除を行うに當つても,如何なる場所に,どんな種類のハエが,どの位いるかということを知ることが,最も能率的且つ經濟的に目的を達成させることになる。又衞生監視の立場からも,ハエの数の推定は飮食店その他の場所の衞生状態の判定の一標準とすることが出來るし,都市の清掃及びた鼠族昆虫驅除事業を行つた際の効果判定の1助ともなしうる。その方法としては,今日まで色々なことが試みられたけれども,どれも滿足出來る樣なものではなかつた。1947年にアメリカで,H. I. Scudder(1)がハエ格子(Fly grill)というものを考案し,公衆衞生の實際面に應用して好評を博している。之とても勿論完全なものとは言い難く,諸種の問題を含んでいるが,現在までの方法のうちでは最も利用價値があると思われるので,之を紹介することにする。ハエ格子には2種のものが考案され,1つは野外用の大形うもの,他は室内用の小形のものである。その構造を述べると,大形のものは幅3/4吋で,長さ3呎の細長板を24本荒けずりのまゝ,3/4吋間隔で並べて,裏から3本組合せのしつかりした棒でとめてある,極めて簡單な装置である。從つて此の装置の上面には総計147呎の稜を持つていることになる。そして,十文字に黒又は赤のペンキで線を引いて,全表面を4つに區分してある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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