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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生10巻2号

1951年08月発行

文献概要

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日本住血吸虫病

著者: 杉浦三郞1

所属機関: 1山梨醫學研究所

ページ範囲:P.49 - P.53

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 日本住血吸虫病は或る特定の地域に限定された風土病で人及哺乳動物が感染し其の病源は住血吸虫の一種の寄生虫に依る主な流行地は支那,日本臺灣,フイリッピン,群馬,セレベス島,サマール島等の極東地方であつて,支那では揚子江沿岸及び海岸沿いに香港に至る地域が重感染地とせられ,その他廣東,南雲の一部にも散在する。我が國では山梨縣甲府盆地,岡山,廣島両縣に跨る片山,福山地方,靜岡縣沼津地方佐賀縣久留米地方千葉,茨城両縣の利根川沿岸地方を主とする,その他東京都江戸川及び荒川沿岸に往時發見されたことがあるが現在では疑問視せられる。又福井縣にも一時的流行をみたといわれ,栃木及び青森縣の或る地方にも存在するといわれるが分明でない。フイリッピン群馬ではミンドロ,レイテ,ミンダナオ島を主とする。日本住血吸虫は雌雄異體であつて雌虫は雄虫に比して細く且つ長く(16〜26mm)×0.3mmあり,雄虫は(9.5〜19.5mm)×0.9mmである。両性とも體表面に細小な小棘を被り體前部に口吸盤と腹吸盤がある。雄虫には線状に配列する7個の睾丸があり雌虫では長い子宮があつて約50個の卵が見られる。卵は(70〜100μ)×(50〜70μ)の大さを有し成熟卵は中にMiracidiumを含む。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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