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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生10巻6号

1951年12月発行

文献概要

研究報告

カルバミジンによる赤痢アメーバ嚢子保有の集團治療の經驗

著者: 野口政輝1 石川德市1 石黑鏔雄1

所属機関: 1靜岡縣衞生研究所

ページ範囲:P.278 - P.283

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緒言
 由來アメーバ赤痢症は熱帶,惡熱帶地方の疾病として知られ,その經過は惡性にして屡々肝膿瘍を併發して死の轉歸をとるが,温帶,寒帶には少く,發生しても多く慢性の經過をとり良性である。而して是が人から人への傳播は飮食物或は飮料水を通じてなされるのであるが,その感染は主として嚢子に依ると云われている。從つて嚢子排泄者は公衆衞生上重視す可きものである。ことはよく知られている。
 嚢子保有者が廣く,世界に擴がつていることが知られたのは第一次歐洲大戰からで,1915年Wenyon力東部戰線より歸還した一兵士の糞便に赤痢アメーバを見出してより世の注目を浴び,Dobell,Kofoid,Craig,Kassel & Svenson,Choy等の諸氏により,英國,米國,亞細亞の各地に相當高率に嚢子保有者を發見した。我國では朝鮮は別として内地では少いと考えられていたが,今次大戰を機として南方諸地域との交通か繁くなるにつれ學者の注意を惹き,他數の研究者により調査され,今や嚢子保有者は全國平均5.0〜10%と言われている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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