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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生11巻1号

1952年01月発行

文献概要

研究報告

流行性インフルエンザの疫學的性状について

著者: 操坦道1 金久卓也1 木村光雄1 加地正郞1

所属機関: 1九州大學醫學部第一内科教室

ページ範囲:P.26 - P.32

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 1.
 インフルエンザはその疫學的性状により3型を區別することができる。第1の型は20-40年位の不定の週期で世界的大流行を來し,その性状は極めて惡性で死亡率も高い。之を汎發性イ,或は世界的流行性イと呼ぶ。最後の流行は1919年に終つており,當時スペインかぜと呼ばれた。その後現在まで惡性型インフルエンザの流行は見られない。
 ところがその後も世界各地で1-4年の不定の間隔でやはりイの流行が繰返されている。これが第2の型である,流行性イであるが,この型のものは汎發性イに比較して著しく軽症であり,罹患者も少く,死亡者も殆んど出ない。イ・ビが初めて分離されたのが1933年のロンドンの流行においてであり,一方1921年以後は汎發性イの流行を見ないので,實のところ汎發性イの病原は不明なわけであるが,流行性イが何らかの條件によつて時として猛威を極めるのであろうというのが一般の抱いている感じである。流行性イの病原としてはA及びBビの2型が早くから知られているが,1947年のアメリカの流行でA型が初めて證明され,最近C型に分類さるべきものも登場して來た(イ)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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