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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生11巻2号

1952年02月発行

文献概要

特集號 第6回日本公衆衞生學會 特別講演

公衆衞生より見たる寄生虫の諸問題特に寄生虫檢査法のそれについて

著者: 小宮義孝1

所属機関: 1國立豫防衞生研究所寄生虫研究部

ページ範囲:P.13 - P.14

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 寄生虫豫防の問題は,根本的に見れば,屎尿の完全な處理法の實現にある。しかし人屎尿が農村經濟上いまだ重要な窒素源としての役割をつとめている本邦においては,これを使用しないわけにはいかない。そこで屎尿中の寄生虫卵を,これを使用するにさきだつてあらかじめ殺滅することを考える必要があるが,現在のところ,實際的に用いられるような化學的な虫卵殺減剤はまだ見いだされていない。厚生省改良便所はこの目的のため創案されたものであつて,その適切な使用と管理とを行えば相當な効果を擧げうるものではあるが,經費その他の點で充分に普及しがたい點がある。堆肥による處理によつて,屎尿中の蛔虫卵は完全に殺滅しうるが,鉤虫仔虫に關してはなお疑問があり,また一方,農地解放の結果,有畜農家經營が盛になり,この場合の堆肥製造法の變化を考慮に入れるときは,これも直ちに機械的に廣く實地に行わせる點にも可なりの困難がある。屎尿分離方式による處理も考えられているが,尚お試驗範圍のものとして止つている。
 第2に考えられる問題は,集團驅虫の勵行である。驅虫は元來治療的な措置ではあるが,これを集團的に遂行することにより,豫防的な効果をも期待しうる。しかしこの場合には,第1に寄生虫保有者の檢査技術,第2に各種驅虫剤の選擇およびその使用法,第3に驅虫の時期とその頻度等の如何が,それぞれ重要な問題となる。がここでは,主として寄生虫檢査,とりわけ蛔虫と鉤虫のそれについて述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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