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所謂非病原性抗酸性菌について
著者: 宍戸昌夫1
所属機関: 1横濱醫科大學
ページ範囲:P.11 - P.15
文献購入ページに移動さて,これらの菌群が,われわれ公衆衞生の分野でいかなる役割を演ずるかは改めて指摘するまでもなく,結核豫防の領域に於てである。それが既に古くKoch1)によつて豫見せられたことは,その後の本菌群に關する數多くの研究に1つの有力な指標を與えたものとして重要な意義を持つものと言えよう。1909年に至つて,これらの菌が,結核菌と誤られる實際の例證が發表せられた。即ちBrem2)は,一結核患者の血液から多數の抗酸性菌を見出し,しかも動物實驗に於ては結核性病變の陰性に終つた實驗例に遭遇し,これを追及した結果,實驗に用いられた蒸留水中から本菌群を分離することができた。次いで1910年には,Beitzke3)は,研究室の水道水中にこれらの菌群の存在することを認めている。
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