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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生12巻2号

1952年08月発行

文献概要

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無カタラーゼ血液症並夫に因る新しい齒性口腔疾患に就て

著者: 高原滋夫1

所属機関: 1岡山大學醫學部耳鼻咽喉科教室

ページ範囲:P.18 - P.19

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 カタラーゼというのは廣く動植物の細胞内に存在する一種の酵素であつて,人間に於ては血中の赤血球中にその約70〜80%,爾余の20〜30%が白血球,血清,組織液,其他に含まれて居り,臟器としては肝臟に多く見られるとされている。人間の此の酵素は鐵と特殊な蛋白質から構成されて居り,その働きに就ては,今日尚祥細に判つていないが,細胞の呼吸に伴つて體内に産生される過酸化水素を分解處理し,之を酸素に代える機能を有し,生活上極めて必要な酵素であるらしいと漠然と考えられている。若し此の酵素を我々の體内から取除いてしまつた場合,果して我々が支障無く生活し續ける事が出來るかどうかという事は此の酵素の働きに關聯する問題で,極めて興味ある處であるが,夫の樣な研究乃至症例の報告は未だ内外に見られない。
 處が私は5年前の昭和21年暮に全く偶然の機會から血中に「カ」酵素を缺除している人―無カタラーゼ血液症(Acatalasemia)―を發見した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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