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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生12巻3号

1952年09月発行

文献概要

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SK式消毒機の消毒效果についての再検討

著者: 北岡正見1 宍戸亮1 兒王威2 田中博2 親里嘉雄3 金尾秀發4 森田豊敏4 助川信彦5

所属機関: 1國立豫防衞生研究所 2神奈川縣衞生研究所 3横濱檢疫所 4万治病院 5横濱市衞生局

ページ範囲:P.10 - P.16

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まえがき
 傳染病豫防法施行規則第24條の2に「物件の内部に至るまで消毒するの必要あるものには眞空裝置によるに非ざれば之を使用すべからず」との規定があり,また家畜傳染病豫防法にも同樣の規定がある。こゝでいう眞空とは科學的に嚴密なものでなく,減壓を指しているようであろうことは現在眞空消毒裝置として使用されているものは減壓式ホルムアルデヒードガス濕熱消毒裝置であるからである。この裝置はEsmarch,Rubner,川西によつて考案され,ホルムアルデヒードガスの作用を表層のみでなく,内部へも浸透さすように減壓状態(所謂眞空状態)にしたもので,現在我が國にはSK式,TK式,ニユーSK式の三式がある。この裝置については我が國では既に大正9年以來傳染病研究所を始め2〜3の所でその效果が試驗確認され今日ではSK消毒器として或は醫療機關の間に廣く普及され,またこの器械を使用したための事故もなかった。第二次世界大戰が始まるに及び極めて重要であるべき本裝置も資材の不足を理由に簡略粗雑となり,またその容積を大きくしたり,所謂戰時型と稱するものとなつたにも拘らずその效果は盲目的に過信され,何等の検討も加えられず今日に至つた。
 昭和25年2月偶々横濱市に於て發疹チフスの爆發的流行が起つた。この流行に際しSK消毒器を使用した助川は昭和26年4月の公衆衞生學會席上でも述べたが,本裝置による消毒法にいくつかの疑義が生じて來た。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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