icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生12巻3号

1952年09月発行

文献概要

--------------------

ポリオとハエ

著者: 甲野禮作1

所属機関: 1公衆衞生院衞生微生物學部

ページ範囲:P.22 - P.24

文献購入ページに移動
 ハエがポリオを媒介するのではないかということを最初に説えたのはFlexner1)(1911年)でポリオ・ビールス發見後わずか3年目のことであつた。Flexnerはイエバエ(Musca domestica)にポリオ・ビールスで感染させたサルの脊髄を餌に與えると48時間後迄にビールスが體内に存在することを證明した。1912年にHoward及びClark2)も同樣の實驗を行つた。又同年Rosenau3)Anderson Frost4)はサシバエ(Stomxys calcitrans)が實驗的にポリオ・ビールスを保有することをみた。ハエ媒介説はその後餘り顧みられなかつたが,1936年頃から糞便にポリオ・ビールスが排泄されることが分り,屎にむらがるハエとポリオとの關係が再び注目をひくようになつた。
 1941年以降,Paul5),Trask6),Melnick7),Sabin8),Ward, Francis11)等によつて相次いで流行地でとらえたハエからポリオ・ビールスが分離された。これを一覧表に示すと第1表の如くになるこれからみるとクロキンバエ(Phormia regina),ヒロズキンバエ(Phaenicia serieata),イエバエ(Musca domestica),ニクバエ類(Sarcophaga spp,)などからビールスを分離することが多く,ハエの體の内部からも,外表の洗滌液からも得られている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら