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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生12巻3号

1952年09月発行

文献概要

研究報告

犬小舎に發育するヒトノミに就て

著者: 宮田尋德1

所属機関: 1神戸市衞生研究所

ページ範囲:P.32 - P.34

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緒言
 家屋内に蚤殺滅の爲めD.D.T. やB.H.C. 等の強力殺虫剤を撤布使用しても,時に一向蚤は減らないが,之等の駆虫剤の效力がないのか,或は藥品の效率が惡いのではなかろうかと質問されることが屡々ある。併し之を事實としても,其れ故に之等のことが實驗上技術面からも,單に何う斯うとは言えないことであるが,私は且つて家蟎の駆除に際して僅に其の發生原としての鼠の巣を考慮し得なかつた爲めに屡々斯る失敗を繰り返えした經驗を聞いてゐるので,之等の場合も或は蚤の發生個所が他に存在する等の一見何でもない所こ却つて大きな失敗があるのではなかろうかと考え,昨年の夏と,本年の冬との1回に,先ず犬小舎の蚤に就て調査を行つてみた。未だ豫備的な一小觀察に過ぎないが,之等の成績に依ると,矢張り犬小舎は家庭内のヒトノミの繁殖發生上には大きな關係があるやに考えられる。其れ故に衞生昆虫學上からヒトノミの發生上にも犬小舎は見逃し得ない1個の重要な存在で,常に注目すべき個所であり對照かと考えられるので,その概要に就て茲に述べてみたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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