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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生12巻6号

1952年12月発行

文献概要

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一乳兒院に發生せる麻疹流行の予防について

著者: 川上敦子12 岡田博1

所属機関: 1名大豫防醫學教室 2衆善會乳兒院

ページ範囲:P.20 - P.25

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1.緒言
 麻疹は乳幼兒傳染病中,最も感染力の強い疾患の一であり,且つ感染發症指數はde Rudder1)に依り95%と稱せられて居る事は周知であるが,殊に2年以下の幼兒の罹患した場合は種々の合併症を併發して重症に陥り易い。故に多數の乳幼兒を收容している乳兒院に之が發生した場合,とりわけ必要である隔離が實行不可能な場合が多く,多數の乳幼兒が一度に危險に曝される爲むしろ積極的に,曝露された全員に對し麻疹の豫防法を速やかに講じる必要に迫られるのである。
 從來豫防法としては,受動的免疫に依るNicoll,Conseil及びDegkwitz2)等の恢復期患者血清を用いる方法が確立されて居る。而し之は随時入手が困難の爲,現在一般には麻疹を經過した事の確かな健康成人血清が用いられているが,その30ccは前記恢復期患者血清の一豫防單位(3.5〜4.0cc)に相當すると云われて居る。又Mc Khann3)が胎盤よりglobulinを抽出し,同樣の效果があると云い,Cohn及び共同研究者3)は人血清からγ-globulinを分劃し,其の後之が麻疹豫防に特に效果的である事を確認した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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