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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生13巻1号

1953年01月発行

文献概要

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クロロマイセチンの耐性

著者: 小酒井望1

所属機関: 1国立東京第一病院

ページ範囲:P.14 - P.16

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 クロロマイセチン(CM)は,今日腸チフスその他サルモネラ症の特効藥として,又細菌性赤痢,百日咳,更に淋疾,尿路感染症等の治療藥として広く使用されている。然し日本ではまだ使用され出してから余り日数を経ていないので,明かに耐性と認められる菌を分離したと云う報告もまだ殆んどなく,臨床的に云つてもCMが全く無効であつた症例も余り報告されていない。腸チフス,赤痢にCMを使用して再発した症例で,治療前と再発時の菌のCM感受性を測定し,その間に差のない事から,此等の菌はCMに対して耐性となり難いと結論している人もあるが,各種の細菌の試験管内に於けるCM耐性増加は,ストレプトマイシン,サルファ劑と比べて緩徐ではあるが,やはり見られることが知られているし,又外国ではCM使用によつて菌の耐性の増加した症例が報告されている。私共も最近腸チフスに於けるかかる1例を報告した。
 私は私共の行つた試験管内実験と,人体に於ける検査成績を中心として,細菌のCM耐性獲得の問題を考えてみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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