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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生13巻1号

1953年01月発行

文献概要

研究報告

齲蝕とその予防に關する実験的研究(第2囘報告)—弗化物の齲蝕細菌醗酵阻害作用について

著者: 帆足望1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学公衆衞生学教室

ページ範囲:P.37 - P.41

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はしがき
 1940年B. G. Bibby & M. Van Kesteren1)はNaFの種々なる濃度が乳酸菌の酸産生に及ぼす影響に関する実驗を行い,弗素IPPMは細菌による酸産生を制限する事を報告した。又F. J. Mc Clure2))は,IPPMの弗素は唾液の澱粉分解作用に影響を及ぼさない事を証明した。1936年L. S. Fosdick & H. L. Mansen3)並びに1937年L. S. Fosdick,H. L. Hansen & G. D. Wessinger4)は口腔内細菌による醸酸機転につき説明報告した。其の際Yeastの役割を強調した事は注目に価する。今日の酵素化学的研究によると細菌の醸酸機転は未だ不明であると云われており,作用段階5)6)7)にしても11段階或は12段階と色々説かれているが,何れも筋肉の乳酸生成機転或は解糖作用から推定の域を出ていない様である。此の醸酸機転に際して弗素は,糖より乳酸になる分解過程に於けるHarden-Young esterよりNilsson esterとなり更にEnolaseの作用によりPhosphopyruvic acidとなる階程に於て,此のEnolaseに酵素毒として作用する事が明らかにされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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