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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生13巻2号

1953年02月発行

文献概要

研究報告

齲蝕とその予防に関する実驗的研究(第3囘報告)—微量弗素が齲蝕細菌の糖分解能並びに殺菌作用に及ぼす影響について

著者: 帆足望1

所属機関: 1東京慈惠会医科大学公衆衛生学教室

ページ範囲:P.46 - P.49

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はしがき
 弗化物が齲蝕細菌の発育並びに酸産生に及ぼす影響については既報1)2)の如くである。即ち高濃度溶液に於てのみ発育並びに糖質醗酵阻害作用があつた。
 微量弗素と細菌との関係については,1939年H. T. Dean,F. Jay & F. A. Arnold3)が斑状歯地区住民の口腔内細菌数について報告したが,之れは細菌数と弗素との関係を究明したに過ぎずして,その細菌の細菌学的研究殊に酸醗酵作用の強弱有無については内外を通じて其の報告は皆無である。一方水道水弗素投入に関しては米国では既に実驗期を脱して応用期に入つていることは衆知の事実である。我が国に於ては今春2月より京都山科の水道水に弗素投入されている。然し乍ら之れら弗素投入に関する衞生細菌学的研究は内外を通じて殆んど皆無の状態である。195,年平田氏4)はNaFに於ては水中雑菌の殺菌作用は認められぬが,NaFHEは井水・川水に対しては0.005%と云う微量の添加により室温にして6時間後には水中雑菌を完全殺菌し,更に汚濁せる下水に対しても僅かに0.015%〜0.02%の添加により水中雑菌は室温にて6〜12時間後には完全殺菌さるゝことを認めた。1952年白土・池田氏等5)はNaFが水中乳酸菌の殺菌作用に及ぼす影響を検査した結果,少くとも100PPM以上を必要とすると報告している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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