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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生13巻3号

1953年03月発行

文献概要

研究報告

Bis-(5-nitro-fur furylidene)-acetone guanylhy dra zone(Panazon)の防腐劑としての基礎的及び応用実驗

著者: 柳澤文德1 齊藤亭1 小笠原龍雄1

所属機関: 1千葉大学腐敗研究所

ページ範囲:P.43 - P.49

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緒言
 食品の防腐剤に関する研究に就ては古来幾多の業蹟があるが,新しい諸種抗菌性物質,化学療法剤等相次いで発見せられるに及び,此等を応用しての防腐的処置も顕著な進歩を示した。然し未だ凡ての食品に有効な理想的防腐剤を見出し得ない。之は防腐剤として具有すべき条件が複雑多岐に亘るが為であろう。従つて各食品別に適応した薬剤を探し求める方向に研究が進められている現状である。当研究所に於ても兼てより各種薬物に就て防腐剤としての価値検討を系統的に研究して来た。
 フラン誘導体特にニトロフラゾーンは従来防腐が困難なる煉製品或は鮮魚等に効果があることが認められて来た。然しニトロフラゾーンは防腐剤としての最も問題視される毒性に就ては必ずしも安全性を強調し得るものではない。今回,富山化学工業会社に於て合成された,新フラン誘導体Bis-(5-nitro-furfurylidene)-acetone guanylhy dra zone(商品名Panazon)は,我々の現在迄の実験では,毒性が比較的低く現れる点に鑑み,興味あるフラン誘導体であると考へ,防腐剤としての検討を試みたので,大体の成績を茲に中間報告として記載する。既に化学治療剤として中村教師等2)の基礎的研究及び落合氏等3)の赤痢に対する治療報告があり,赤痢に対しては注目すべき効果を收めている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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