icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生13巻4号

1953年04月発行

文献概要

時評

主任衛生管理者制度

著者: 山本幹夫1

所属機関: 1順天堂大学公衆衞生学教室

ページ範囲:P.31 - P.31

文献購入ページに移動
 衞生管理者制度が実施されて五年を経過した昨年八月,労働安全衞生規則が改正されて主任衞生管理者の制度が誕生した。法文上に現われた処を見ると,主任衞生管理者の任務は「他の衞生管理者を指揮し,衞生管理に関する事項を統轄する」とされ,衞生管理者がおかれている事業では従来の衞生管理者の他に一名づつ選任されることになつている。又主任衞生管理者の資格については,医師であることも,基準局長の免許を受けたものであることも必要がなく,「当該事業における衞生管理を主管する労務,厚生等の業務の職制上の責任者をもつてこれにあてることが出来る」と規定されている。
 主住衞生管理者が医師である場合は別として,医師であつて,一般の衞生管理者の様に試験も受けず,特別な資格もない状態でよいかどうかという点は相当問題があろう。衞生管理の仕事は労働衞生に関する特別な知識と技能と経験を要求するものであるからである。所が従来の国家試験そのものは,遺憾乍らそれ程程度の高いものとはいえず,数日間の講習の受講によつて合格する程度のものであり,識者や使用者の中にはこの試験を軽視するものがある程であつた。大会社の労務の責住者の中でも,この試験に合格して免許を受け衞生管理者に選住され,その主住者として,熱心にこの仕事に従つている人も時に認められたが重要なポストの人々の多くは,この受講や受験の面倒を甘受するものはほとんどなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら