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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生14巻2号

1953年08月発行

研究報告

齲蝕とその予防に関する実驗的研究(第4回報告)—安門及び尿素のブイヨン稀釈法による齲蝕細菌上発育阻害作用に就いて

著者: 帆足望1

所属機関: 1東京慈惠会医科大学公衆衞生学教室

ページ範囲:P.47 - P.50

文献概要

1.緒言
 弗素問題と共に最近急激に脚光を浴びたものにammonia ion利用の齲蝕予防薬(練製・液剤・錠剤・ガム)がある。此の種の研究は米国に於て1934〜1935年C. J. Grove & C. T. Grove1)が齲蝕免疫性の人の唾液と齲蝕罹患性の人との唾液の化学的成分を測定した所Ca,P,C1等は両者間に差異を認めず,ammonia含有量に於て前者は後者より多量のammoniaを含有することを発見した。そしてこのammoniaが乳酸菌の発育を抑制し,齲蝕免疫性の人の唾液は罹患性の人の唾液よりも早い速度でammoniaを形成することを報告した。
 次いで此の事実に立脚して1940年R. M. Stephan2)は30%尿素溶液を,1942年E. C. Wach & others3)はureaquinoneを洗口剤として応用し,その中和・抗菌作用の他に尿素の滲透拡散性による歯垢の溶解清掃作用の高いことを立証した。1946年,R. G. Kesel & others4)は齲蝕活動と人唾液中齲蝕細菌に対する拮抗性物質との相関性について系統的研究を行つた。その結果唾液中拮抗物質の乳酸菌発育阻害作用はammonia nitrogenであることを証明した。此の事実から炭酸安門が同様の効果を有し,且つその作用は単にアルカリ度の為でない事をも実証した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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