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特集 最近の性病問題
梅毒血清反応の比較実験について
著者: 石坂公成1
所属機関: 1国立予防衞生研究所血清部
ページ範囲:P.15 - P.20
文献購入ページに移動Wassermannが梅毒血清診断法として所謂ワツセルマン反応を発見して以来,梅毒血清反応に関しては数多くの改良が加えられてきた。勿論本反応の理論的根拠については未だに解決されていない点が多いのであるが,実用的見地からみれば現在梅毒血清反応なくして梅毒の診断を下す事は不可能であるといつても過言ではないであろう。従つて本反応術式の優秀か否かは直接,梅毒の診断は勿論,梅毒予防対策上極めて重要な問題となつてくる。所が所謂梅毒血清診断法として用いられている術式は,我が国に於けるものだけでも相当数に上つて居り,しかもいずれが優秀かは殆んど無批判に用いられてきた。従つて梅毒血清診断法の中,優秀術式を選択する事は梅毒予防対策の上からも極めて重要な意義を有するわけである。所で斯様な試みは既に相当以前から国際連盟に於て行われていたのであるが,我が国に於ては未だに行われた事がなかつた。
そこで昭和22年に厚生省薬事審議会,生物学的製剤等小審議会,性病専門部会の申し合せに従い,始めて梅毒血清診断法の比較実験が行われ,爾来昨年迄8回にわたり優秀術式の選択が行われた結果,大凡我が国現行の梅毒血清診断法中優秀なものを選択する事に成功したので,以下その経過についてのべてみたいと思う。
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