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文献概要
特集 最近の性病問題 グラビヤ
公衆衞生展覧会より
著者: 山本
所属機関:
ページ範囲:P.42 - P.43
文献購入ページに移動ここで私の感じた全般的た感想としては,従来の衞生展覧会に比して,文字展より絵図写眞展へ,平面展より立体展への力強い胎動が更に一歩前進したことに大きな意義が感じられました。取材の範囲を見ても,ぎりぎり一杯の衞生と云う概念を乗越えて,例えば生活改善運動に衞生の足場を求めて,民衆の"生活そのもの"の中にザブリと喰込んでいつている状態を見ても,従来その例を見ないものでしよう。企劃,アイデイアの面についても斬新な趣向と工夫がこらされておりますが,ただ,中には一つの画面の中に余りに大くの内容を盛込もうとしたために,全体がゴチヤゴチヤして,焦点がぼけてしまい,"観客に訴える力"の減殺されていたのも見受けられました。この点選んだ写眞の中にはありませんが,逆に例えば,"これが癌だ"と云う様な模型は横にかかれた早期診断と云う言葉と相俟つて,簡明直載に訴えるより優れた力を持つているのではないでしようか。
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