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特集 傳染病問題の焦点
流行性肝炎のヴィルス學
著者: 徐慶一郞1
所属機関: 1国立予防衞生研究所
ページ範囲:P.17 - P.25
文献購入ページに移動今次世界大戦中独逸軍は東部戦線,ルーマニア,地中海沿岸,殊にリビア,クレタ島に於て米軍は太平洋戦域並に地中海戦域に於て流行性肝炎の爆発的流行に遭遇した。又近時朝鮮戦線の米軍に於てもかなりな流行が報告されている。1本病が軍隊病(Bormann)2と云われる所以であろう。
我が国に於ては戦後,特筆すべき大きな流行は見られなかつたのであるが,昭和26年より本年初期に亘り全国各地に患者の多発を見ている。詳細な発生状況は後日の調査に譲るが最近に報告され又著者の耳に入つ例でも,九州-熊本,3長崎,4中国-宇部,5岡山,6近畿-山科,7和歌山名古屋,8関東-東京都下,久里浜,等多数がある。特に注目すべきは岡山県下赤盤地区に於ける極めて重症な肝炎の流行であり,その死亡率は13.98%(発生患者93名死亡13名)に及ぶ驚異的数字を示したのである。
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