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特集 傳染病問題の焦点
傳染性下痢症について
著者: 福見秀雄1
所属機関: 1国立予防衞生研究所
ページ範囲:P.26 - P.28
文献購入ページに移動伝染性下痢症は昭和23年の初春に日本全国特に新潟,山形,和歌山等に流行して以来我が国では認識されるに到つた。それ以前に日本に本病が存在したかどうかは詳かでない。併し少なくとも人目にたつやうな流行をおこしたことはないと考えられる。又昭和23年春の本症流行がいかにしておこつたか,換言すれば,その流行の,感染源がどこにあつたかも不明である。その時まで我が国では全然認められなかつたのであるとし,その当時は終戦後なお日浅く,日本軍人,軍屬の復員繁く,又,連含軍特に米軍の住還も盛んであつた頃であるし,感染源が国外にある可能性も一応成立する。そこで国外に於ける本病と同様な症状を持つた病気の流行状況を文献で調査してみると,一つは支那方面に於てそれらしいものがみられる。俗称豊台下痢と言つて,北支北京近郊の豊台に第二次大戦中に往々見られたものである。
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