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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生15巻2号

1954年02月発行

文献概要

特集 公衆衞生に必要な諸検査

大腸菌の檢査方法に就いて

著者: 安斎博1

所属機関: 1北里研究所

ページ範囲:P.14 - P.23

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まえがき
 腸内細菌定住地は専ら腸管内であり,血液,尿その他各種の臓器内に侵入するのは特別の場合に過ぎない。従つてこれらの菌の分離は主に糞便内より培養することになる。Salmonella,Shigella等の既知病原菌は各種の分離培地上で特異の集落を作るし,又従来からその分離技術に熟達しているので,それ程困難ではない。しかし,その他の腸内細菌は非病原菌として,吾国では余り注意されず,従つて分離鑑別方法も余り考慮されていなかつた状態である。
 一般に大腸菌と云う名称は広く使用されているが,その定義は甚だ曖昧なもので,水質検査や食品関係に於ける検査に於いては,大腸菌とは専ら乳糖分解性の大腸菌を目標としている。又最近KauffmannによりArizona,Ballerup-Bethesda菌屬に分類された腸内細菌も,従来は所謂パラ大腸菌(乳糖非分解性大腸菌)として取扱われていた。彼はこれらの菌を大腸菌屬に入れるよりも,むしろ広義のSalmanella菌屬に含めた方がよいと主張しているが,ここでは便宜上これらの菌も広義の大腸菌屬の中に入れることにする。故にここでは大腸菌と云う定義の中にはEscherichia(狭義の大腸菌),Klebsiella(エロゲーネス菌又は肺炎桿菌),Alkalescens-Dispar,Arizona,Ballerup-Bethesda等の菌屬を含むものと諒解して戴きたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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