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特集 公衆衞生に必要な諸検査
公衆衞生における檢査業務
著者: 長友浪男1
所属機関: 1厚生省 研究所課
ページ範囲:P.56 - P.60
文献購入ページに移動現代の公衆衞生行政は,真に科学行政でなければならない。即ち,公衆衞生の向上発展は,科学的な基礎に立つて始めて望み得るものであつて,科学に立脚しないものは,如何に些細な事柄であつても,凡そその意義を失うといつても過言ではあるまい。
さて,この公衆衞生行政の中心的課題として考えられるものは,疾病(特に伝染性疾患)の予防治療そして防疫の諸施策であろう。さてこの予防治療,防疫が適切に,且つ機敏に実施されるためには,先ずもつてその疾病が因つて以つて起つた原因の科学的な確認即ち「診断」が必要となる。一般的には,診断そのものは臨床的のみにでも下し得るものではあるが,多くの場合,更に適正な診断を下すためには,その病原を確認し,又類症鑑別を実施することの必要が生ずるものである。このことは,原因不明の伝染性疾患の突発に対処して防疫措置を講ずるような場合には,特に強く要求されることなのである。
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