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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生15巻3号

1954年03月発行

文献概要

特集 乳幼兒衞生の焦点(I)

母子衛生行政—妊産婦指導を中心として

著者: 田波幸男1

所属機関: 1厚生省兒童局母子衞生課

ページ範囲:P.6 - P.8

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 日本の母子衞生の現状を一口にいうならば,さして惡いともいえないけれども,よいともいえない。丁度中間にあるような気がする。
 妊産婦について先ず考えてみると我国の妊産婦死亡は以前から比較的低いのであつて,現在では出産1000について約1.5といつた所である。つまり600回強の出産について死亡者は1人であるから実数としても約3000にすぎない。ただ此所で注意しなければならないのは,妊産婦死亡率に低下の傾向が極めて少くて,此の所数年間1.5に停滞してしまつていることだ。海のあちらの米国ではかつて妊産婦死亡率は我国の数倍の値であつたが最近その低下速度が急速であつて2,3年前に我国より低くなり,終に1.0を割つてしまつたようである。これに比べれば我国の妊産婦死亡率の停滞は感心した傾向とはいえない。妊婦死亡は東北地方に多く,妊産婦死亡の原因の中で最も重要なのは妊娠中毒症である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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