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座談会
実態調査のおしえるもの
著者: 北錬平1 金井進2 聖成稔3 重松逸造4 佐藤德郎4 豊川行平5 石垣純二
所属機関: 1予防会結核研究所 2富坂診療所 3厚生省結核予防課 4国立公衆衛生院 5東京大学
ページ範囲:P.10 - P.28
文献購入ページに移動石垣 昨年の7月から10月にわたりまして厚生省が全国の211地区で5万人を対象にして調べました実態調査につきまして聖成課長から最初にその調査結果のエツセンスをお伺いして,それに基いてお話を進めていただこうと思います。
聖成 何といつても従来結核患者の数というものは死亡者数の10倍乃至4倍として想定する。そして160万ということをいつておりましたね。それ以外には方法がなかつたわけです。それが今度の調査の結果かなり実際に近い数字の292万となつています。それから要注意者が261万ということが判つきりした。これが第一の問題です。その次には従来15才から29才の間の靑少年に結核が多い,それから死亡率もこの辺が一番多い。それから最近は―実態調査の結果じやありませんが30才から49才の間に死亡率が一番多いということが分つたわけですが,今度の実態調査でも30才から49才の間が患者が一番多いということになつて,死亡も患者もともに30才から49才のところに多くなつたという。これは非常に注目すべきことだと思うんです。それから更に化学療法を必要とするもの219万,外科療法を必要とするもの27万,人工気胸気腹を必要とするもの17万,その他48万という適応状態も明らかになつてきた。また入院を必要とするものが,これは純医学的判定ですが137万あるということが明確になつてきたということが一番大きな点じやないかと私も考えているわけです。
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