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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生15巻5号

1954年05月発行

文献概要

研究報告

名古屋地方における腸管寄生原虫の検索成績—特に赤痢アメーバ嚢子保有者について

著者: 戸谷徹造1 長谷川艶子1 水野康子1 田中百合子1 佐々木陽子1

所属機関: 1名古屋市立城東病院傳染病科

ページ範囲:P.40 - P.43

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I.緒言
 わが国における腸管寄生原虫の分布については,櫔原(1926)が中野電信隊兵士及び埼玉県農民につき報告したのを始めとし高橋等(熊本),松永等(京都)の調査があるが赤痢アメーバ(Entamoeba hystoelytica)を最初に検出したのは田辺等(1932)で,氏等は兵庫及び広島出身の兵士にっき6.7%に赤痢アメーバを認めている。その後第2次世界大戦以前においては平山(福岡),松岡(東京),門馬・松田(大阪),松田(広島),松林・木下(東京)等により0.56%乃至6.7%に検出されている。しかるに大戦後世界各地より引揚者,復員者があり外地において顕著な赤痢症状を呈したConvalescentcarrierやContact carrierが持込んだ外地株により赤痢症状を呈するアメーバ赤痢患者が増加の傾向にある。このことについては安東・山岸は1949年東京都及び附近の赤痢症状を呈したアメーバ赤痢患者で,栄養型を検出した53名について外地感染者26例49.0%,内地感染者27例51.0%があったと述べている。又斎藤・高橋(1948)は59例のCyst排泄者につき外地に滞在したことのあるもの23例,内地のみのもの36例で内地感染Cyst排泄者が多いと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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