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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生15巻6号

1954年06月発行

文献概要

特集 公衆衞生に必要な新藥の知識

血圧降下剤

著者: 村上元孝1

所属機関: 1群馬医大

ページ範囲:P.17 - P.20

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 従来高血圧の治療は食餌療法,生活指導,対症療法に限られ,半ば止むを得ざる疾患の1つにされていたが,Hexamethoniumを始めとしてHydrazinophthalazin,Veratrum alkaloid,Hydergine,Rauvolfia serpentivaと血圧を比較的長時間に亘り下降せしめる所謂血圧降下剤の登場は臨床医家のみならず,一般世人に1つの大きな問題を提供した。
 高血圧者剖検屍に於ては血圧の高いもの程動脈硬化殊に脳動脈硬化,冠硬化は高度で,脳出血,脳軟化,心不全心筋梗塞,心筋胼胝も高率に出現し,予後の面からも血圧の高いもの程不良の為,何等の副作用を呈する事なく,血圧を正常血圧或は其に近い血圧に下降せしめ得るならば此等合併症の出現頻度も減じ,血圧降下剤は高血圧症の拔本的治療法でなくとも高血圧治療の一大進歩と言わなければならない。然し現実には此等血圧降下剤は其使用に当つて尚多くの問題を残している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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