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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生15巻6号

1954年06月発行

文献概要

特集 公衆衞生に必要な新藥の知識

EDTAについて

著者: 勝沼晴雄1

所属機関: 1東京大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.71 - P.74

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 EDTAは,アルカリ土類から重金属に至る広汎な範囲に亘る元素と所謂キレート化合物を作る性質があり,更にその化合物は水溶液でイオン化しないので,理工学,医学等の各方面で,かなり注目を集めている。特に放射性元素の重要性がクローズアツプされる様になつてからは,一部の放射性元素による生体の内部曝露障害(Internal Hazard)の治療の面で,一層本剤の重要性が増して来た。
 EDTAは,Ethylene Diamine Tetra-Acetic Acidの略称であるが,又Versene(市販名)などとも呼ばれている。この物質は最初Schwazenbach及びAckermann(1947)によつて記載せられたが,その後欧州及び米国の学者達によつて,その基礎的性質に関する研究が行われ,これと竝行して,その応用的方面の研究も熱心に行われて,文献の数も既に相当多数にのぼつている。ここでは主として医学の分野における本剤の応用について述べるが,順序として先ずSchwazendach等によつて行われた基礎的研究の概略を紹介しておく。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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