文献詳細
文献概要
特集 公衆衞生に必要な新藥の知識
放射線障害とその對策
著者: 津屋旭12
所属機関: 1東京大学医学部 2分院放射線科
ページ範囲:P.75 - P.82
文献購入ページに移動Röntgen教授によるX線の発見,Curie夫人によるRadiumの発見は近代科学の魁けをなすものであるが,その発達の歴史に放射線障害による幾多の尊い犠牲が払われている事は,Ehrenbuchder Röntgenologen und Radiologen aller Nationen(Strahlentherapie,1937)の中に詳細に記載されているが,吾国に於いても亦その例に洩れるものではない(1)。多年に亘る放射線診療の犠牲として再生不能性貧血で斃れた京大故末次教授,骨髄性白血病の長崎大故永井教授の名前は吾々の記憶に新しい。更してこの様な放射線障害が現在如何なる傾向を示しつつあるかという事は我国の公衆衛生上一つの重要な研究課題たるを失わないであろう。
掲載誌情報