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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生16巻1号

1954年07月発行

文献概要

特集 赤痢(Ⅰ) 論説

赤痢と疫痢の病理解剖学的所見

著者: 嶋田博1

所属機関: 1千葉大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.48 - P.52

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 疫痢は古く伊東氏の研究に端を発し,之が独立疾患であるか,症候群であるかの論争を巻き起したが,現在では疫痢の大部分に赤痢菌属を検出することが出来,疫痢は一定の症候群に対する名称と考えられる様になつた。然しながら疫痢が何故に好んで小兒を犯すか,あの特徴的な症状は病原体の毒素によるのか或いは腸管内に発生した特種な物質によるのか,或いは更にこれ等の物質が如何なる機序によつて臓器や組織にある種の病変を惹起するのであろうかといつた問題に対しては,現在迄に実に多数の学説が発表されている。病理解剖学は,これ等の重要な且つ興味ある課題に対して未だ多くのものを貢献出来ないが,疫痢の概念の確立或いはその症状の発生に対して形態学的根拠を提供するものである。以下赤痢並びに疫痢に於ける主要臓器の病変を略述して御参考に供したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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