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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生16巻2号

1954年08月発行

文献概要

特集 赤痢(Ⅱ)

赤痢の衞生教育について

著者: 隆文雄1

所属機関: 1福島県平保健所

ページ範囲:P.41 - P.43

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 病気になつて,初めて健康の尊さを知つたと吾吾はよく聞くが 最早や赤痢は大きな国民病の一つとして毎年々猛威をふるつているが,日本人にとつてはそれ程恐ろしいと思つていないし,当りまえのようなマンネリズムの傾向にあるように思われる。手を洗い蠅を防ぎ,一寸おかしいと思つたら,早く医師に診てもらう,他人には迷惑をかけないようにすると,言つたような理窟を知らない人は,殆んどないだろうが,実際には,多忙と世智辛い世の中に,どうにかこうにか生活しているのでは,色々と経済的に面白くなかつたり,努力と言う厄介が伴うので,面倒になり,色良い反応と,これを実践するだけの意慾と協力心は仲々出てこない。つまり赤痢予防は,これらのことを良く実践してくれるか,くれないかに関係するので,民衆の生活意識の中からこの意慾と協力心を引張り出し,実践に導いて行くのが,私達の目標ではあるが,誠に容易ならぬ難事業である,その意慾を駆り出すのには衞生教育以外に方法はなく最も効果が大きく,期待する所大である,赤痢予防には多くの方法はあるが,私は,患者の早期発見,手洗の励行,衞生教育の徹底,をとりあげ,赤痢の防遏に対する衞生教育の重要性を強調したい。しかし赤痢の衞生教育は,知識を与えることではなく,実践に導くことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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