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雑誌目次

雑誌文献

公衆衛生16巻4号

1954年10月発行

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座談会

醫學界最新の知識を語る

著者: 淺野秀二 ,   福見秀雄 ,   林基之 ,   榊原仟 ,   佐藤德郞 ,   白木正博 ,   杉靖三郎 ,   高橋晄正 ,   吉川春壽

ページ範囲:P.1 - P.25

 杉 折角集つていられるので,1人1人別のものを言うのでなくて,この座談会は,そういう意味でテーマの引出しの会であるという風に考えて頂けばよいと思うのであります。けれどもどうも初めから基礎のことをやると何ですが,どういう方面から致しましようか,広い面からやつたらいいかと思いますが,そういう事で内科,外科の方面からお話して頂きましようか。いろいろな雑誌で外科は外科,内科は内科の専門雑誌がありますが,殊に内科外科という広い問題は公衆衛生にこういうものが必要であろうという物を,適当にピツクアツプしてお話願えれば有難いと思います。
 それじや外科のようなものは,トピツクがはつきりしておるのではないかと思いますが,例えば外科の今話題になつております今年の特別講演のような宿題のようなもの,殊に榊原先生の御得意の心臓癌というようなことから……

補遺

1.外科,他

著者: 榊原仟

ページ範囲:P.26 - P.36

肺臓外科の適応
 肺結核はある時期には躍進するが,ある時期には大体進行を停止している。病勢が大体進行を停止している時期を狙つて適当な処置をすると次の躍進を押えることが出来る。肺結核は自然治癒を営み易いものであるから,斯る躍進を押えることが出来れば,遂に結核を治癒させることが出来る。外科療法は斯る目的のために行われるもので,内科的療法では躍進を押え得ないと予想せられる時に行われる。最も屡々問題となるのは結核性空洞で,手術によつてその転移源たる性格を失わせておくのである。空洞結核も自然治癒を営まぬ訳ではないが,一定の大きさに達した空洞は自然治癒を営み難く,その経過中に他に転移を起す可能性があるから,急速に空洞を消失させ得る可能性の大きな外科療法が選ばれる。更に,未だ崩壊空洞化するに至つていないような乾酪巣に対しても,同じ意味で手術を行う。従つて急性期に在る患者は手術しない,しかし以上の条件を備えた患者でもすべて手術し得る訳ではない。患者の全身状態,肺病変の様相に従つて自ら適応の限界がある。他の手術と同様,全身状態が手術を許さぬようなものは手術せぬ。特に呼吸,循環機能の低下したものは行い得ない。手術の対象としては1側の肺に変化があるものが望ましい。兩側に存する場合には,1側に対し手術を行つて後,更に他側に対しても手術を行いうる可能性のある場合だけに行う。即ち病変範囲ということが問題になる。

綜合医学賞入選論文

飮食品着色料の食品衞生学的研究

著者: 八田貞義 ,   靑山好作 ,   宮沢文雄 ,   大竹作左衞門 ,   小田幸子

ページ範囲:P.37 - P.57

1.まえがき
 飲食品の色調は嗜好や食慾などに影響するので食品の美化或は天然食品の色彩の模倣などから,人工的に特定の色素の添加が行われている。わが国では食品衞生法により,24種のタール色素の使用が許可されているが,許可外の着色料を使用した日常飲食品が,かなり多く,その検出率も80〜90%の高率をもつて示されるものがある。又これによる中毒例も報告されている。
 著者らは許可着色料のうち,その使用頻度の最も高いローダミン(赤色々素)とオーラミン(黄色々素)とについて,食品衞生学的な見地から種種検討を試みたので,以下その成績について述べる。

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秩父地方に於ける戰後妊婦梅毒血液反応について

著者: 関根邦之助

ページ範囲:P.59 - P.61

 戦後の梅毒の増加は著しいものがあり,特に妊娠梅毒は人類の福祉の上に大きな問題となつて現われて来た。
 私は当保健所管内の妊婦で,昭和23年1月より27年12月迄の5年間に梅毒血清反応を行つた6353例について観察を行つたのでその結果を報告する。

衞生教育を中心とした学校と保健所との関係について

著者: 石川武彦 ,   永元嘉之

ページ範囲:P.62 - P.63

 世界の如何なる文明国に於ても人の生命をまもるために又より衞生的な住みよい生活環境をつくりあげるために最も大きな努力が払われていない国はない。これら公衆衞生の向上と原動力は実に一部の学者の養成及び成人の再教育に俟つことよりも近き将来社会人として世に出る凡ての兒童生徒に対して公衆衞生の何たるかを最もわかり易くがつちりとその教育機関を通じて植えつけることでそのためには学校に於る最も効果的な衞生教育が行われなくては健全な公衆衞生の発展は望み得ないことを痛感し当保健所は昭和24年以降保健所と学校という普遍的な関係に於て学校保健の向上を図るため衞生教育を主とする諸種の具体策を樹て今日迄実施して来たのであるがこの間にあつて当所の辿り来た跡をここに記し諸氏の御批判を仰ぎたいと思う。

基本情報

公衆衛生

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1170

印刷版ISSN 0368-5187

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