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特集 勞働衞生最近の進歩
夜間作業
著者: 斎藤一1
所属機関: 1労働科学研究所
ページ範囲:P.13 - P.13
文献購入ページに移動体温,脈搏,血圧等の生理機能は,昼夜により規則的な変動を示すが,昼夜転倒生活では,この波動をある程度逆転させるけれども,完全には転倒せず,またこれらの日差は,夜業時には昼業時にくらべて遙かに大きく,而も夜業の日数を重ねるに従いこの日差が漸増する。大脳亢奪水準を示すと考えられるちらつき値の低下率も夜業では大きい。血清蛋白濃度に対応する血清屈折率や血清食塩濃度は一日間で昼夜により「生体潮汐現象」としての一定の律動的な波動をもつが,これは夜業昼眠により逆転するけれども,波動の振幅は通常生活時にくらべて小さく,夜業時の機能亢進と昼眠の機能沈静の効果が少いことを暗示している。また尿中各種塩類排泄量の逐時的変化の上にも夜業昼眠の影響がみられる。即ち一般に体液塩類の排泄曲線は,逆転の傾向を示すが,組織塩類は通常の排泄曲線を根強く示し,人体細胞の活動の上に昼夜に伴なう固有のリズムがあり,昼業夜眠という生活に根強い順応を示していることを暗示している。
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