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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生16巻5号

1954年11月発行

文献概要

特集 勞働衞生最近の進歩

日本の高温作業

著者: 三浦豊彦1

所属機関: 1労働科学研究所

ページ範囲:P.52 - P.54

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I.高温作業の現状
 日本の夏は高温でしかも高湿であつて,極めて特徴的な蒸し暑い気候である。従つてこうした日本の夏には作業場では各種の熱源があるので余計に耐えがたいものになるのである,戦後労働安全衞生規則の制定について,労働衞生学者の会合がもたれた時に,故石原修博士1)は夏季は一般に労働負担を軽減する必要があり,そのことを法的に定めるべきだと強調し,わが国の盛夏の酷暑は南方諸国のそれにくらべて,大したへだたりはなく,この季節に無理な労働を避けることが日本の労働者の健康をまもる上に最も重要な事柄の一つであり,当然この点が法規に盛られるべきであると主張した,具体的には夏季には労働時間を短縮したり,休憩時間を延長したりすることを石原博士は考えていたようである。
 しかし実際問題ともなれば仲々困難な場合も多い,戦後私共2)が調査した所によると,第1図のように気温が50℃に近く,黒球温度は100℃に達する所も稀ではないのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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