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特集 勞働衞生最近の進歩
婦人労働
著者: 齋藤一
所属機関:
ページ範囲:P.69 - P.71
文献購入ページに移動また女子の下腹部臓器の解剖学的構造は,会陰部の支持力を弱めているから,腹内圧を高めるように作用する重量物の支持や運搬の作業では,特に女子に性器下垂やその他性器位置異常が起るおそれもあり,男子に比べて不利である。第1図は同一重量物を種々の方法で運搬する場合の男女のRMR(エネルギー代謝率)を比較実験した結果であるが,同一重量に対するRMRは女子に高く現われるばかりでなく,重量増加に対してエネルギー需要の増す割合も,女子が大きく,更にエネルギー需要が急増してエネルギー経済の上から著しく不利となる。重量の限界も,常に女子が低いところにおかれている。実驗結果から女子の重量物運搬において問題となる限界重量を運搬方法別に男子と比較して示すと,下表の通りである。
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