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随想
医学の異端者
著者: 土屋忠良1
所属機関: 1前:京都府衛生部
ページ範囲:P.46 - P.47
文献購入ページに移動それかあらぬが,僕の同窓の一友人の如きは,自分の興味と力量とから,是非衞生技術官となつて公衆衞生の実を挙げて見度いと念願し,大張り切りで着々と準備して居ることが図らずも母親に知られ,「滅相な,とんでもないことだ,そんなものになるんなら何を苦しんで大学へなどやるものか,お医者さんにし度いばかりに,貸家を売り土地を売り,おまけに,お祖父様の大切にして居られた書画骨董の殆んど全部を手放してまでも,お前に高等の教育を受けさせ,お医者さんにしてやつた筈だ。
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