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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生17巻3号

1955年03月発行

文献概要

特集 慢性疾患の疫學

癌の疫学

著者: 石田保広1

所属機関: 1厚生省統計調査部計析課

ページ範囲:P.8 - P.14

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癌は昭和27年より国民死亡の第2位の疾患となり,年々その重要性が増加している。癌の疫学研究も必要性を増し,また多くの研究者がこの分野に興味をもつ様になつてきた。癌の疫学研究の目的は次の2つ,すなわち,1.行政に必要な解析,2.癌の発生要因の分析の2つに分けて考えることが出来る。勿論この兩者は密接に関連しているので区別することは困難であるが,前者には一断面の調査である一般人口中の罹患率Incidence Rate,有病率Prevalence Rate,死亡率を求めることや,癌患者を登録し,長期間にわたる観察をおこなつて生存率を求めること等が属し,社会階級,職業,遺伝,習慣或いは発癌因子と癌罹患率,死亡率を比較検討することは後者に属している。癌の疫学研究に際し資料や解析の方法が急性伝染病の研究の場合と多少相違があるので,今回は研究に必要な資料及び解析の方法の大要について述べ,つぎに癌の疫学の分野で問題になつている点及び研究の方向について簡単な説明を加えたい。(註1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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